「デントリペアで直してみようかな…?」

と、思っている初めてのオーナーのために、不安を少しでも払拭して頂きたく、デントリペアをなるべく噛み砕いて紹介します。

デントリペア概要

デントリペアとは、 正式名称:Paintless dent repair(ペイントレスデントリペア) つまり、車のボディーのヘコミを塗装せずに修復するといったリペア技術です。

トヨタ 86のデントリペア

ひと昔前までの概念から云うと、ボディのヘコミを直す場合には、鈑金塗装と云うのが定番でした。

鈑金塗装での修復は、最終工程で再塗装するのが前提ですから、ヘコミ部分の塗装を剥ぎスポット溶接してスライディングハンマーで引出したり、ヘコミをパテで埋めて修復します。その後、再塗装して仕上げます。

デントリペアでの修復は、そういった鈑金塗装工程(塗装を剥ぐ、溶接、パテ入れ、再塗装)を一切ふまずに修復します。

ですから、ボディに優しいリペア法とも云えます。 では、どのように修復していくのかと云うと。。 ひとことで云ってしまうと単純明快で、特殊な専用ツールを駆使し、ボディ裏側からヘコミを精密に押し上げ成形していきます。ただ、言葉では簡単に聞こえますが、そのツールコントロールはmm(ミリ)単位以下となり、また、目に見えないボディー裏側からのコントロールとなる為、非常に難易度の高い技術です。 まだ一般的には馴染みの少ないのが実状のデントリペアですが、今や自動車業界では当たり前のように使われている技術です。ですが、近年ではひと昔前に比べ知名度も上がり、知る人ぞ知るリペア法として一般ユーザーからのニーズも急速に高まってきている事もまた実状です。

デントリペアツールの紹介

専門家の道具と云うのは、どの分野においても日常ではめったにお目にかかることないものばかり。 デントリペアツールも例外ではありません。折角ですので、ちょっとのぞいてみてください!

プッシュツール(ヘコミを裏から押し出すためのツール)

デントツール

デントリペアにおいて、メインとなるツール「プッシュツール」です。 デントリペアは、ヘコミ部分のボディ裏側にツール先端をあて押し出して修復するわけですから、基本的にはヘコミ裏にツールの先端をアクセスできなけなければリペアは困難になってしまいます。 そのため、多種多様な形や長さのツールが存在します。(画像のものは、これでもほんの1/4程度です)

プーリングツール(ヘコミを表から引き上げるためのツール)

プーリングツール

デントリペアは、基本的にヘコミを裏から押し出して修復しますが、どうしてもヘコミ裏にツールがアクセス出来ない場合には、表から引き上げる方法もあります。 こちらは、そのためのツール「プーリングツール」です。 「タブ」「グルー」「引き具(リフター、スライディングハンマー)」で構成。 タブをグルー(ホットボンドのようなもの)でヘコミ表面に付けて、リフターやスライディングハンマーで引き上げます。 タブにはヘコミに合わせた色々な形状、大きさがあります。

ポンチングツール(出っ張り、膨らみを叩き落とすためのツール

ポンチングツール

ヘコミ周囲の腫れた膨らみを叩き落としたり、出っ張った部分を叩き落としたりするツールです。 「ポンチ」「ハンマー」で構成。 主にポンチをボディにあてがいハンマーで叩きます。樹脂製のポンチや樹脂キャップをかぶせたポンチをあてますのでボディ表面にダメージは残りません。

ライティングツール(ヘコミを見るためのツール)

デントリペアライト

デントリペアはヘコミにライトの光を投影させ、ヘコミの陰影をみながら修復していきます。 こちらは、そのためのツール「ライティングツール」です。 このライトがなければ、ヘコミやツールの先端を確認することが出来ないためデントリペアは出来なくなってしまいます。

デントリペアライト有無
同じ位置、同じ角度から見たヘコミ。ライトが有る無しで見え方に大きな差があります。

 

その他アクセサリー

アクセサリー

その他、アクセサリー類として、 支点を取るためのフック類。 ドアやボンネットを固定する冶具。 ヒートガン、エアーバッグなどですね。 脇役ですが、無くてはならないツールです。

施工およびツールアクセスの方法

ツールアクセスの良し悪しによって、作業性が大きく左右されるデントリペア。場合によって、施工を断念せざるを得ないケースも出てきます。ここでは、主な各パネルごとの施工およびツールアクセスの方法を紹介します。

ボンネットフード(トランクフード)

デントリペアボンネットアクセス

ボンネットやトランクは比較的ツールのアクセスの良いパネルです。 チェーンフックを引っ掛け、そこを支点にテコの原理を使ってヘコミを押し出します。 また、画像でも分かるように通常ボンネット裏には、補強を張り巡らせています。 ヘコミが補強の中にある場合には、細いツールや薄っぺらいツールを用いて補強と外板のすき間に滑り込ませて施工します。

ドア

ドアアクセス

デントリペアのご依頼でダントツに多いのがやはりドア。 ドアのデントリペアは、窓ガラスと外板とのすき間にツールを差し込みアクセスします。 この場合には、ガラスが支点になります。ツールを押すのではなく、ひねってヘコミに力を伝えます。(ガラスは強化ガラスなので割れることはありません) また、ドアの下の方や窓ガラスのすき間からツールがアクセス出来ない時には、ドアの内張りトリムを取り外し、そこからツールをアクセスし施工します。(画像左)

フロントフェンダー

フェンダーアクセス

フェンダーの上方であれば、ボンネット側からツールアクセスしたり(写真左)、下方であればタイヤハウスのライナーを取り外してそこからツールアクセスします(写真右)。 フロントフェンダーも比較的ツールのアクセスの良いパネルで、多少大きめのヘコミでも比較的容易にリペア可能です。

リアゲート

リアゲート

リアクォーター

 

ルーフ

 

ピラー・サイドシル

 

デントリペアのメリット・デメリット

◯ メリット

一般的な修理方法である鈑金塗装に比べて 「早い」『安い」その上「仕上がりが良い」と云うのがデントリペアの三大メリットです。 もっと詳しくはこちら

△ デメリット

リペア出来るヘコミや部位の制限

デントリペアは、鈑金塗装と違って万能ではないということです。直せるものに関しては抜群の威力を発揮しますが、直せないヘコミや直せない部位が出てきてしまいます。 走っている車同士の接触時の塗装にダメージを伴うグチャとしたヘコミ。 塀やガードレール、鉄ポールなどに「ガリガリ」「ズリー」と擦ってしまった塗装にダメージを伴うヘコミ。 など、塗装に大きなダメージを負ってしまってる場合や、明らかに鉄板が伸びてしまっていると思われる場合にはデントリペアでは修復は出来ません。 簡単に云うと、車が動いている時に負ってしまったダメージは直せないケースが多いです。(もちろん、全てではありませんが) また、エッジ(縁)の折り返し部分など「くの字」に折れてしまっている場合。 工具の入らない二重構造や袋構造になってしまっている場所のヘコミなど。 (ただし、星空では工具の入らない場所のヘコミは表側から引き上げる「プーリング」云う工法を使用できますので、対応出来る幅は広がります。) FRPパネルやABSやウレタンバンパーと云った樹脂部分のヘコミ。 直せるか否かは、ご自身でご判断つきにくいかと思いますので、遠慮なくお気軽にご相談下さい。デントリペアに限らず最良の方法をご提案致します。

料金

低料金が売りでもあるデントリペアですが、単価がヘコミの大きさで決められている為、ヘコミが大きくなりすぎると価格的なメリットがうすくなるケースが生じてしまいます。  

よくある質問

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